ハイテク仕掛けのラブストーリー


第3章 キューティー吉本のモデム

一、

「ねえねえ、ひろし君、レポート打ってるんだけど・・・」

こんな話で始まった、私の電話。毎日欠かさない、私の日課なんだ。
「え~~~っ、レポート書いてるのに電話していいのぉ?」
「いいの。だって、今プリントしている最中だし。」
「あ、そうか。もうワープロでレポートが仕上がって、紙に印刷している最中なんだね。」
「そうなの。でも、ワープロって印刷結構遅いから、こうやって電話してるの。」
「あ、そうか。印刷って結構時間かかるもんねぇ。」
「文章も、結構長いしね。」
「え~~~っ、何枚書いたのぉ?」

という感じで、どうでもいいような事ばっかりしゃべってるけどね。長電話は女の子の特権だもん。

あれから私、ワープロ君を使って色々と文章とか書いたのよね。

まず、4月にはみんなにさくらめーるを送ったっけ。まだはがきに書いた事なかったから、ひろし君のところに電話したの。「ねぇ、さくらめーる書きたいんだけど、どうやって書くのぉ?」って感じでね。そしたら、「あ、書式設定ではがきに設定したらいいんだよ。」って教えてくれたのね。でも、まだこの頃は、書式設定ってなんのことだかわかんなかったの。「書式設定って何?」って聞いたら、ここまで来て教えてくれたのね。

でも、その後の友達の反応が傑作だったの。「恵美子ぉ、暑中見舞ならわかるけど、さくらメールくれるなんて、一体どういう風の吹きまわしなのぉ?」って。なんかみんなびっくりしてたなぁ・・・

でもって、教授へのレポートは全部ワープロ。ほら、最近の大学って教授の方から、「ワープロで打つ時は、必ずフロッピーに残しておくように。」なんて言ってるもん。で、外人の先生なんかだったら、ちゃんとタイプで打たないと受け取ってくれない時もあるしね。これは内緒の話だけど、そのタイプで打たないとだめなレポートの締め切りが近づくと、みんな私のところによって来るのね。で、「恵美子お願い、これワープロで打ってぇ。」ってお願いに来るの。でもって、昼ご飯はみんなのおごりね。

メニュー作りなんかもやったよ。ほら、私ってバイトでちっちゃなサテンに行ってて、メニューをワープロで作ってあげたら感謝されちゃった。

で、1日の終わりはひろし君に電話して、日記をつけるの。まあ、交換日記みたいなものかな? 毎日ワープロで打ってぇ、ひろし君のフロッピーと時々交換するの。結構忙しい時なんかはまとめて書いたり、1行だけ「今日は特に何もない平穏な一日でした。」で終わる時もあるけどね。

こうして、私のワープロ君って結構忙しかったりする。でもって、ひろし君も最近は結構忙しかったりする。なぜって? 今年ひろし君は就職活動だから、なんだかんだで結構忙しいみたい。家に電話したら、大抵留守番電話だし。

二、

でも、1つだけ困った事があった。それは、道代。道代とは大学1回生の時からずっと同じクラスなの。で、家に帰る方向も一緒だったから、よく同じ電車に乗って帰ってる。2回生になった後なんかも、同じ授業を取ってたりとかしてたのね。

だから、結構仲が良かったりする。けど、露骨に物を欲しがるから、始末に悪かったりする。もともと、道代はレポートとか試験とかが近づいたら、急に猫撫で声をあげるの。で、もしも私が書いたレポートを見つけようものなら、「ねえねえ、このレポートちょうだい。」なんて事を言い始める。

私、レポートなんかはまずワープロ君で作ってるから、いくらでも同じ物は作れるんだけどね。でも、物は言い様じゃない。「レポート写させて」ならまだ話はわかるけどさぁ。

どうせ断ったって持って行くのはわかってるから、さっさと渡したの。そしたら「あ、これワープロで打ってあるじゃない。ねえ恵美子ぉ、ワープロちょうだい。」なんてことを言い始めたの。

「だ~め! 欲しけりゃ自分で買いなさい。」
「いいじゃない、あんた新しいの買ったら。」
「道代はいつもこれなんだから。だいたい、あんたワープロちょうだいって言うけど、ちゃんと使えるのぉ?」
「決まってるじゃない。恵美子に教えてもらうの。」
「ちょっとぉ、勝手に決めないでよ。」
「そういう恵美子は、どうやってワープロなんか覚えたのよ。これっきりボタンの使い方で頭抱えてたのにさぁ。」
「え? それは・・・。」
「はは~ん、さてはワープロの得意な彼氏でもできたんでしょ?」
「・・・・・」
「ほら当たった。」
「何変なこと言ってるのよ。」
「むきにならなくたっていいじゃない。あ、そうそう、その彼氏って車持ってるのぉ?」

そう、道代は車が何よりも好きだったりする。と言っても、本人は車どころか免許も持っていない。ただ、誰かの車に乗せてもらうのが好きなの。

「え? そりゃあ・・・まぁ。」
「へぇ~、いっぺん乗せてよ!」
「何ばかな事言ってるのよ!」
「は~い、決定! 来週の日曜日、迎えに来てね。」

で、結局来週の日曜日に、ひろし君のすかちゃんに二人っきりでなんて思ってたら、とんでもないお荷物を持って行く事になったの。で、しょうがないから、その晩ひろし君に電話で謝って、事情を説明したら、「まあいいんじゃない」みたいな感じで、道代も連れて行く事になったの。ひろし君、両手に花みたいなこと考えてたんじゃないかなぁ、なんて言ったら言い過ぎかな? 少なくとも1つは、お世辞にも花とは言えないし。

そして問題の日曜日、ひろし君と私はすかちゃんに乗って、道代を迎えに行ったの。そしたら道代がいそいそと出て来るなり、「へぇ~かっこいいの乗ってんだぁ」だって。で、すかちゃんがひゅんと走り出したら、「音も静かだし、中も広いし速いわねぇ。」だって。どうも嫌な予感がしてたら、いきなり

「ねぇ、ひろし君だっけ? お願い、この車ちょうだい!」

あ~あ、やっぱり始まった。私は大概免疫がついてるからいいけど、ひろし君は超びっくりしてたみたい。「だ、だめだめ!」だって。
まあ、そんなこんなで色々とくだらないことを喋ってたのね。そしたら、いつの間にか私とひろし君だけの会話に戻ってたの。おかしいなぁと思ったら、後ろのシートを陣取ってた道代は、ぐっすりと眠ってるの。私もひろし君も、まあいいかみたいな感じで、取り敢えずほっといたのね。

で、そろそろお昼ご飯を食べようかと言う話になって、すかちゃんが駐車場にちょこんと座ったのに、道代は起きようともしないの。私は、こんなのほっといて食べに行こうよ、って言ったんだけど、ひろし君は食事の時は起こそうよって言い初めて、道代を起こす事にしたのね。でも、問題はそこから先。いくら揺すっても叩いても起きないの。ひろし君なんか、「こいつ死んでんじゃないの?」って、マジでびびってるし。

あれこれ手を尽くしたら何とか起きたんだけど、「ん~、もう寝かせてよ。」とか、「眠い~」とか。道代がこんなに寝起きが悪いとは思わなかったのね。「あ~あ、やっぱり寝かしとくべきだったなぁ。」と思っても後の祭り。取り敢えずお昼にしたのね。

で、ご飯も食べた事だし出発しようかってことになって、すかちゃんを出したところ、道代は「あ~あ、ご飯食べたらまた眠くなった。」って言ってまた寝始めたの。ひろし君も、今度ばっかりは寝かしたままにしておいたのね。

でも、さすがに道代の家についたら、やっぱり起こさないといけないのね。そして、また寝起きの悪い道代を叩き起こしたら、また「ん~、ここどこぉ?」「寝かせてよ、あたしずっとここで寝るんだからぁ~」って、まったく手に負えない。

あの後、ひろし君と喋ってたけど、さすがにうんざりしたみたい。「次熟睡してたら、人里離れた山の中に捨てて行こうよ」なんて言ってたし。

それからというものの、道代はことある度にすがすがしい顔でこう言うの。

「あ~あ、私も男欲しくなっちゃった。恵美子ぉ、ひろし君ちょうだい!」

ったく、いっつもそんな事ばっかり言ってるから、男が逃げるんだってばぁ! あ~あ、つくづく、始末が悪いなぁ・・・

三、

そして、もう8月。さすがにひろし君の就職活動も少しは落ち着いたみたい。私の誕生日に何かプレゼントをくれるみたい。昨日電話したら、「明日四条河原町でなんか見つけて来るね。」って言ってたし。

で、今日は日曜日。私の誕生日。ひろし君は何をプレゼントしてくれるのかなぁ、なんて考えながらワープロ君の前。

「ひろし君、誕生日プレゼントありがとう。そう言えばひろし君って今年で大学最後だったね。就職内定おめでとう。就職したら忙しくなるかもしれないけど、これからもずっと一緒でいようね

えみこ 」

うーん、なんか単純かなぁ・・・。なんて考えているところへ電話のベル。ひろし君からの電話で、「いつのもところで2時に待ってるよ」って。

私が烏丸の改札を出たら、もうひろし君はじっと立ってたの。片手には、どこかのパソコンショップか電気屋さんみたいな袋をぶら下げてたの。

「これ、探すの大変だったよ。はい、これがプレゼント。」
「あ、ありがとう!!! でも、これって電気製品か何かでしょ? 中身は何?」
「あ、それはサテンについてからのお楽しみ。きっと説明しないと使えないから。」

一体何なんだろう? 私が使えないってことは・・・やっぱり機械のたぐいなのかなぁ。でも、ラッピングらしいラッピングをしないで、ビニール袋で渡すあたりが、なんかひろし君らしいと言えばらしいわよね。

いつものサテンについた私とひろし君、席につくなり

「ほら、開けてみてよ。」

なんか私が中身を知りたがってるより、ひろし君が中身を見せたがってるみたい。袋を開けたら、なんか小箱が入ってたのね。

「あら、なにこれ?」
「わかんない?」
「うん、中身開けても全然わかんない。」
「うーん、『幸せの小箱』ってとこかな、やっぱり。」
「ねぇ、もったいぶらないで教えてよぉ。中身を見てもさっぱりわかんないプレゼントなんて、あたしもらったことないよ。」
「やっぱり教えて欲しい?」
「うん。」
「これは『モデム』って言うの。」
「モデム? なにそれ?」
「うーん、なにそれって聞かれても説明に困るんだけど・・・やっぱり使ってるところを見せないとわかんないな、これは。」
「ねえ、開けて見ていい?」
「うん。」

私は、その『幸せの小箱』を開けて見た。中には、小さなプラスチックの箱みたいなのと、コードが1本、それに1冊の本がついていたの。その本には、私のワープロ君が書いてあったのね。

「ねえねえ、これってひょっとして、うちのワープロ君につけるのぉ?」
「うん、まあそういうこと。」
「・・・で、こんなのつけてどうするの?」
「うーん」

ひろし君は何か言いにくそうな感じだったけど、なんか勇気を持ってやっと言葉を発した感じでこう言ったの。

「これはぁ、電話を使って文章を送るの。」
「へぇ・・・で、こんなのつけてどうするの?」
「はぁ?」
「はぁって、だからぁ、電話を使って文章送ってどうするのよ?」
「あ~あ、やっぱりわかんなかったか・・・」
「うーん、なんかパソコンとか言う機械使ってぇ、電話使ってぇウイルスとか言うのを巻き散らしてるとか何とか言うのは聞いたことがあるんだけどぉ、まさかそれじゃあないよね?」
「いや、違う違う。」
「じゃあ、どうするのぉ?」
「うーん、こればっかりは恵美ちゃんのワープロがないと説明できないもんなぁ。今日行ってもいい?」
「あ、だめだめ、今日は部屋ん中散らかってるもん。」
「散らかってるって、まさか部屋の中をごきぶりが走りまわってるわけじゃないでしょ?」
「ま、ひど~い! それってひろし君の部屋じゃあないのぉ?」
「うそうそ。まあ、取り敢えず付けてみてよ。説明書を読んだらたぶんわかると思うから。」
「・・・うん。」
「で、来週見に行きたいんだけど、いいかな?」
「うん、じゃあ来週は部屋ん中片付けとくから。」

取り敢えず、今日のところは荷物も抱えてることだし、うちの中も散らかってるから、まっすぐ竹田駅まで帰ることにしたのね。ひろし君には竹田駅まで送ってもらってぇ、後はそのまんま帰ったみたい。

え~と、まずは説明書を・・・と。なになに、「パソコン通信の世界」 やっぱりこれってウイルスが入ってんじゃないのぉ? 危ないなぁ。でも、ひろし君が違うって言ってたから、多分大丈夫・・・と思う。なんか自信ないなぁ・・・

で、取り付け方は・・・と。なになに、ケーブルをワープロ君の後ろに付けて、電話線を抜いてぇ、ここに差し込むのね。よしっできたぁ! 待てよ、なんか心配だなぁ。やっぱりこれってウイルスがやってくるのかしら? なんかウイルスのせいでコンピューターがつぶれたとか言う話を聞いたことがあるし・・・ ま、壊れたら壊れたでひろし君に責任持って新しいワープロ君買ってもらうとするか。

翌日、大学で道代がこんなことを言ってた。

「恵美子ぉ、昨日の晩どこ行ってたのよ?」
「へ?」
「へって、昨日いくら電話してもあんたいなかったじゃないのよぉ!」
「うそ~、あたしずっと部屋にいたわよ。」

四、

「それってもしかして、電話線のつなぎ方間違えたんじゃないのぉ?」

道代に文句を言われた晩、電話の受話器をあげると「プー」って音がしなかったのね。もうびっくりして、公衆電話に走ったの。ひろし君に救いの手を求めて電話したら、こんな答えが返って来た。

「電話線って?」
「ほら、電話につないであった線を抜いてモデムに付けて、電話線をもう1本モデムにつけて、その線を電話につけたでしょ?」
「うん。」
「たぶん、その配線を間違えたんじゃないかなぁ・・・」
「ふーん、じゃあどうやったら直るのぉ?」
「あ、そのままにしといて。次の日曜日に直すから。」
「ちょっとぉ、それってもしかして日曜日までうちの電話が使えなくなるんじゃないのぉ?」
「うん、まあそういうことかな?」
「冗談じゃないわよ。あたし日曜日まで待てないわよ。ねぇ~、お願いだから今すぐ直してよぉ。」
「う~ん、今日はちょっとなぁ・・・。うん、じゃあねぇ、メモして。」
「はいはい・・・」

私は、ポシェットの中からメモと鉛筆を取り出した。

「えーと、モデムのところに2つ、電話線を差し込むところがあったでしょ?」
「うん・・・たぶんあったと思う。」
「で、それをいっぺん逆につないでみてよ。」
「うんうん・・・」
「つなぎ変えたら、家から電話ちょうだい。もしそれでもだめだったら、悪いけど公衆電話からかけてよ。」
「うん・・・わかった。」

私は受話器を置いて、一目散に部屋の電話の前に行った。うちの部屋、電話があって、その横に机があって、その机の上にワープロ君が座ってるのね。

えーと、モデムの後ろに電話線・・・あ、これこれ。確かに同じ形の差し込み口が2つあるわね。そうかぁ、あたしこれを間違えてつないだのかぁ。あ、だめだめ、ひろし君が電話の前で待ってるんだ。では、この線とこの線を入れ替えて・・・、これでかかるかな。では、受話器をあげてひろし君の電話番号をっと・・・
「はい、西岡です。」
「かかったぁぁぁぁぁあああ!」

私、思わず大声をあげちゃった。そう。やっぱり私が配線を間違えていたのだ。

「え? ちゃんとつながった?」
「うん、今部屋からなんだけどぉ。」
「あ、じゃあ大丈夫みたいだね。」
「うん。でも、電話ってないとやっぱり不便なもんなのねぇ。」
「え? 電話って壊れたことない?」
「ないよ。というよりかかるのが当たり前って感じだから。」
「まあ、文明の力ってなくなると突然不便を感じるもんだからね。」
「うん・・・じゃああたし、日曜日に待ってるから。」
「うん。」

私は受話器を置いた。あ、そうそう、今日はレポート書かないと。こりゃひょっとしてだいぶ遅くまでかかるんじゃないかな? ワープロ君のお出ましかな?

次の朝、大学で道代がこんなこと言ってた。

「恵美子ぉ! あんたFAXつけたんだったらつけたって教えてよぉ!」
「え?」
「え、じゃないわよぉ! あんたの家に電話したら、なんか『ピ~~~』とか言う音がしたわよ! おかげでレポートのこと聞けなくて困ったんだからぁ。」
「うそ~~~、うちFAXなんかないわよ。」
「じゃあどうしてなのよぉ? まあ、でもレポートは恵美子がくれるんでしょ?」

五、

ひろし大先生曰く、

「ああ、多分モデムの設定がおかしいんだと思うんだけど。」

おかしいって言われたって、ねぇ。そりゃあ、自称これっきりボタンで悩んだ女の子だしねぇ。おかしいから直せるわけでもないし(えっへん!)。

「そうだねぇ、取り敢えずそのまま置いといてよ。ワープロの電源が入ってなかったら大丈夫だし、電話はちゃんとかけられるから。」
「うん・・・」
「あ、それから、日曜日はワープロの電源入れないでよ。こっちから恵美ちゃんとこに電話掛けて『ピ~~~』は嫌だぜ!」
「ピ~~~って、もしかして放送禁止用語?」
「そうじゃなくて・・・もう。」

ということで、下手に触って壊したらどうしようもないし、そのまま置いとくことにしたの。でも、今週は徹夜が続いているから、眠たいの何の。なぜって? そりゃあもちろん、ウイルスがやってこないかどうかのチェックよ。一応ひろし君は大丈夫だって言ってたけど、やっぱり心配なのだ。ワープロ君が動かなくなったら嫌だもんね。

そして、待ちに待った日曜日。なんかワープロ君の電源入れちゃダメって言われたら、逆らって電源入れたくなるのが人情なのよね。あーあ、早くひろし君来ないかなぁ。

六、

今日は日曜日、私はワープロ君の電源を切って、ひろし君の電話を待つ事にした。でも、電源を入れちゃダメ、と言われたら余計に入れたくなるのが人情。

私、今日は眠くてしょうがないの。なぜって? 最近はワープロ君のチェックでずっと徹夜が続いてるの。だって、うちのワープロ君に変なウイルスがついたら嫌だもん。まあ、さすがに7日連ちゃんの徹夜と言う訳には行かなかったけどね。

「どうしたの、その目の下の隈?」

ひろし君はびっくりしてた。事情を話したら、ひろし君大笑いしたっけ。

「あのねぇ、コンピューターウイルスって言うのは、コンピューターに悪さをするプログラムの事なの。大抵通信回線とか人からもらって来たフロッピーとかから入って来て、あっと言う間に広まるからウイルスって言われてるけどね。だから、ワープロはまずかからないの。」

なあんだ、うちのワープロ君は大丈夫なのか。まずは一安心。でも、ひろし君はほっとした顔でこう言ったの。

「まあ、でも『ウイルスに感染したくなかったから、ワープロには近づかなかったの』て言われるよりはましだったけどね。」

まあ、失礼な。

「取り敢えず、IDとパスワードが要るから・・・」

私は、ひろし君に教わった通りにキーボードを叩いたの。すると、ワープロ君が突然カタカタ音を立てたの。い、一体何が始まったの・・・と思った瞬間。「ピー」と音がしたかと思うとすぐに消えて、いきなりこんな文字がずらずらずらって出て来たの。

---------------------------------------
ATD0774326393
CONNECT 2400

 [SHIFT-JIS only]  &&           &&           &&&&            &&
Welcome to U-bahn!  &&          &&          &    &          &  &
                    &&          &&         &     &          &  &
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                        &&&&&     &&         &&&&    &&& && &     &&   &      &
                  U-bahn  unlimited express system by Net-cock Ver.3.60 quinted

IDをお持ちでない方は0と入力して下さい USER_ID:
---------------------------------------

私、何がなんだかさっぱりわからなくなった。

「え~、何これ何これ! なんか文字が次から次に出て来た。い、一体何が始まったの。この文字ってどっから出て来たの。」

ひろし君は、落ち着いた様子でこう答えた。

「これは、パソコン通信って言って、電話回線を使って文字を送ったりして、色々なことをするんよ。」
「いろんな事って?」
「だから、それは後で説明するから。まずはIDを取らないと。」
「IDって?」
「つまり、ID番号。会員番号って言った方がわかりやすいかな? 誰がアクセスして・・・、つまり誰が通信してるかわかるように一人一人に番号を決める訳。恵美ちゃんはまだID持ってないから、ゲストIDを使ってよ。」
「ゲストIDって?」
「つまり、まだIDを持っていない人が使うID。このネットのゲストIDは0だから、0と打ってよ。」

はいはい、わかりました。

---------------------------------------
IDをお持ちでない方は0と入力して下さい USER_ID:0
オンラインサインアップします。よろしいですか Online signup? ([Yes],No):
---------------------------------------

「ねえねえ、オンラインサインアップって?」
「オンラインサインアップって言うのは、・・・まずはIDの取り方を教えた方がいいかな?」
「うん。」
「IDの取り方には色々あるけど、大抵は申込用紙を送るかオンラインサインアップするの。で、オンラインサインアップって言うのは、ゲストIDでアクセスしたらIDの申し込みができるようになっている事。」
「ふ~ん、じゃあYって打ったらいいのね。」
「そう、あ、それから恵美ちゃんのハンドルネームを決めないとねぇ。」
「ハンドルネームって?」
「ペンネームって言ったらわかるかな?」

なるほど。なんかもうこの時点で頭が回らなくなってるけど、まあなんとなくわかったって感じ。でも、問題はここから先。いきなり自分の名前なんて浮かばないじゃない。

「ねぇ、なんて名前をつけようか。」
「そうだねぇ・・・吉本って言う名字を活かしたいなぁ・・・。確か恵美ちゃんって大学で英語勉強してたよね?」
「うん。」
「じゃ英語で『かわいい女の子』ってなんて言うの?」
「うーん、色々あるけどぉ・・・Cutieかなぁ・・・」
「よし、じゃあそれにしよう。キューティー吉本でどうかな?」

よくわからないけど、取り敢えずひろし君に任せる事にした。だって、いきなり言われても・・・ねぇ。

どちらにしても、私にはわけがわからない世界なので、今日のところはひろし君に任せる事にした。まあ、ひろし君の話では、ハンドルネームは後で変えられるらしいし。

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オンラインサインアップします。よろしいですか Online signup? ([Yes],No):Y

入学願書にご記入頂きます。全ての項目に正確にご記入下さい。不足があった場合に
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ますます持ってわけがわからなくなった。大体、今私が何をしているのかすらわからないのに。ひろし君は、「やって行くうちにわかるって」って言ってるけど。まずは、ひろし君の案内で、「電子掲示板」ということをすることになったの。

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No.2 「102号教室(新入生歓迎ボード)」

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No.2 \shinkan「102号教室(新入生歓迎ボード)」 (0/114) 92/03/21 21:32
タイトル:はじめまして、HAL5963さん
346bytes UVAN48:順 Command (?:説明 help):R

う~ん、大学に7年ですかぁ。私も、学生時代含め通算7年過ぎました。
下池田町というと、ラーメンまさ、天神湯あたりでしょうか。
1、2回生の頃は、仕伏町に住んでいました。
今は、伏見学区(笑)に住んでいます。先生になったのに、よく遊んで
いるという...。

どうぞ、よろしく。 順。.

- - - - - - - - -
No.2 \shinkan「102号教室(新入生歓迎ボード)」 (1/114) 92/03/21 23:50
タイトル:質問!!
1reply 416bytes UVAN123:ZIKA Command (?:説明 help):R
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なんでも、ここは色々な人が色々な事を書いているんですって。私もひろし君に習って色々と読んでいるけど・・・。

しかし、一番よくわからないこと、それは「こんなことをしてなぜ面白いのか」ということ。だって、結局ワープロなりパソコンを使って文字を送っているだけでしょ? 確かに、電話を使ってこんなことができるんだから、すごいとは思うけどね。

・・・とひろし君に言ったら、「じゃあ恵美ちゃんも何か書いてごらん」と言われてしまった。とは言え、何を書いていいのかさっぱりわからない。

「まあ、初めてなんだから、自己紹介とか思った事をそのまんま書いてみたら?」

ということだった。私は、あまり気乗りはしないけど、ひろし君があんまりしつこく書いて書いてって言うから、しぶしぶ文章を書く事にした。

「でも、私自慢じゃないけど、作文って苦手なのよぉ!」
「大丈夫、俺も小学生の時って作文書くの嫌だったもん。」

と、ひろし君は言うけど・・・

---------------------------------------
No.2 \shinkan「102号教室(新入生歓迎ボード)」 (1/114) 92/03/21 23:50
タイトル:質問!!
1reply 416bytes UVAN123:ZIKA Command (?:説明 help):W

No.2 「102号教室(新入生歓迎ボード)」

タイトル(50文字以内):はじめまして、キューティー吉本です。_______________
書き込みを終了するには 「.」を入力して下さい。 Type "." when finished.

>       ・       ・       ・       ・       *       ・       ・       ・       ・     <
みなさん、はじめまして。キューティー吉本と申します。
パソコン通信なんて初めてなので、なんか文字がわぁっと出て来て
びっくりしています。
何を書いていいのかわからないけど、これからもよろしくお願い
します。
キューティー吉本
.

書き込みますか Write? ([Yes],No,Title,Edit,Check,Quit,?):Y
==== 書き込みました ====

- - - - - - - - -
No.2 \shinkan「102号教室(新入生歓迎ボード)」 (1/115) 92/03/21 23:50
タイトル:質問!!
1reply 416bytes UVAN123:ZIKA Command (?:説明 help):Q

0:学園正門に戻る return to main menu
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3:図書貸出業務 Y-modem batch transfer
4:履修届の提出 board entry
5:履修した授業へ出席 entry board around cource
6:ノートを丸写しする entry board non-stop cource
7:自主休講する move reading pointer

教室・クラブ館メニュー Britain Board System
番号を入力して下さい Hit the number only >0

1:教務課 user information
2:教室・クラブ館 britain board system
3:郵便ポスト mail
4:下校する offline

学園正門 - Main Menu -
番号を入力して下さい Hit the number only >4

終了して回線を切ります。よろしいですか Offline? ([Yes],No):Y

キューティー吉本さん、 0:15:50 ( 950秒)の授業、お疲れ様でした。
毎週月・水・金曜日の午前9時30分より45分程度、休講致します。また、臨時休講の場合があります。

NO CARRIER
---------------------------------------

「ねぇ、1つだけ聞いてもいい?」
「うん。」
「やっぱりひろし君もハンドルネーム使ってるのぉ?」
「そりゃあ、当然使ってるよ。」
「何てハンドルネーム?」
「164君」
「へ? なんで?」
「つまり、『164君』と書いて『ひろし君』って読むの。」

あーあ、聞くんじゃなかったなぁ。これじゃそのまんまじゃないのぉって言ったら、「ネットではちゃんと『164君』って呼んでね」って釘を刺されちゃったけど。

ま、取り敢えず、ネットの上では2人の関係は内緒にしとこうねって話になった。うーん、なんかこれってひょっとしたら危ない関係かなぁって思ったけど、取り敢えずはうん。

帰りしなひろし君は、こう言ったの。

「なんかわからない事があったら、シスオペさんに聞いたらいいよ。」
「ねぇ、シスオペさんって?」
「システムオペレーター。略してシスオペ。ネットの管理をしている人の事ね。」
「じゃあ、このネットでは誰がシスオペさんなのぉ?」
「俺。」

七、

その晩、私はもう一度ひろし君のネットにつないで見る事にした。

えーと、確かワープロのメニュー画面から「通信」って言うのを選んでぇ、で、こうやってこうやったら・・・あ、ワープロ君がカタカタ言った。そろそろつながるかな?

やった、つながった!

で、えーと、IDはUVAN0171だし、パスワードは・・・と、これでいいのかな?

---------------------------------------

 [SHIFT-JIS only]  &&           &&           &&&&            &&
Welcome to U-bahn!  &&          &&          &    &          &  &
                    &&          &&         &     &          &  &
########    &&          &&         &   &&           &  &
ようこそ            &&              &&  &&&&   & &&             & &
ユーバーン学園へ    &&          &&        &&&    &   &&&    &&&&&     && &&&&
########     &&       && &&      &&       &&&   &   &&   &   &  &    &
                      &&     &&  &&    &&  &&    &  &   &  &&    &  &   &    &
                        &&&&&     &&         &&&&    &&& && &     &&   &      &
                  U-bahn  unlimited express system by Net-cock Ver.3.60 quinted

IDをお持ちでない方は0と入力して下さい USER_ID:UVAN0171
パスワードを入力して下さい PASSWORD:*****

京都府にお住まいのキューティー吉本さん、元気に大学生していますか?

現在登録中の住所は、以下の通りです。
住所 京都市伏見区竹田三ツ杭町66-43
氏名 吉本恵美子

変更がございましたら、「学生課へのメール」まで御連絡をお願い致します。

●アクセスされましたら、「掲示板」と「履修規定」を必ず読んで下さいね。
●アクセスできない、住所変更など、登録事項の変更やトラブル発生の時は、「学生課へのメール」までお願い致します。
前回出席時刻 92/08/17 15:21 2回線目に、 1200bps Normalで接続しています。

おしゃべりを聞きます。 Set on the chat mode.

1:教務課 user information
2:教室・クラブ館 britain board system
3:郵便ポスト mail
4:学生ホール chatting
5:下校する offline

学園正門 - Main Menu -
番号を入力して下さい Hit the number only >
---------------------------------------

なあんだ、やればできるじゃんか!

私は、一人で納得しながら、色々と試して見た。まずは、やっぱり1番を選んで、1番かな? で、後は適当に・・・

---------------------------------------
1:教務課 user information
2:教室・クラブ館 britain board system
3:郵便ポスト mail
4:学生ホール chatting
5:下校する offline

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番号を入力して下さい Hit the number only >1

0:学園正門に戻る return to main menu
1:出席表を確認する log typing
2:自己紹介書を読む read profile
3:出席モードの設定 set access mode
4:自己紹介書を変更する rewrite profile
5:パスワードの変更 change password
6:学生番号リスト type ID list
7:画面を初期化します clear screen
8:役職の参照 type status
9:バージョンの表示 type version

教務課メニュー User Information
番号を入力して下さい Hit the number only >1

連続表示しますか Display all? ([Yes],No):Y

date in -out L-speed-M ID :handle name
---------------+--------+--------+-+-----+-----+----+--------------------
1992/08/18 21:03:38-21:21:47 3- 1200-N 171:KITA 21:06:08-21:07:22 2- 2400-5 97:NORI 20:19:23-20:26:06 3- 2400-5 48:順 19:45:56-19:46:11 1- 9600-N 0:Guest 19:45:38-19:45:48 1- 9600-N 0:Guest 17:27:38-17:34:39 3- 2400-5 167:MKY(謎) 15:16:28-15:20:24 2- 2400-L 104:TAN 13:27:55-13:47:59 3- 2400-N 87:かぎやま 13:23:33-13:27:39 3- 2400-N 157:爆烈将軍 12:38:27-12:39:31 3- 2400-5 48:順 10:33:53-10:35:26 3- 2400-5 91:よっさん with KLE400 08:36:08-08:39:01 2- 9600-L 3:ユリシーズ 07:38:09-07:44:26 3- 2400-4 79:こんけい 06:17:05-06:18:40 2- 9600-L 44:TEXAKO 05:43:30-05:44:58 2- 9600-L 162:ひのまる 03:21:18-03:25:56 3- 2400-5 167:MKY(謎) 03:02:57-03:14:40 3- 2400-5 167:MKY(謎) 01:51:25-01:53:49 3- 2400-5 97:NORI 01:43:09-01:45:51 3- 2400-5 48:順 00:43:34-00:51:03 2- 9600-5 170:MOLITO! 00:36:12-00:43:50 3- 2400-5 48:順 1992/08/17 23:53:17-23:55:50 2- 9600-L 11:ZAP 23:08:37-23:43:00 3- 2400-5 153:YOT 23:36:02-23:38:28 2- 2400-5 48:順 23:33:47-23:35:42 2- 2400-5 6:SUKAPON 22:45:54-23:33:32 2- 9600-L 4:Huck 18:28:26-18:32:00 3- 2400-5 87:かぎやま 16:14:41-16:16:43 3- 2400-5 0:Guest 14:08:58-14:27:01 3- 2400-5 167:MKY(謎) 13:38:15-13:44:06 3- 2400-N 157:爆烈将軍 10:18:38-10:27:28 2- 9600-L 4:Huck 07:40:11-07:41:56 3- 2400-5 91:よっさん with KLE400 07:17:53-07:30:24 3- 2400-5 168:紫縞《島田洋式》 06:16:44-06:25:14 3- 2400-5 168:紫縞《島田洋式》 ・ ・ ・ ・ ・ (以下、省略)

---------------------------------------

やだ~~~! 文字が滝のように流れて止まんないよぉ! お願い、誰か、誰か止めてぇ!!!

あ、止まった。あーあ、一時はどうなるかと思った。ひょっとしたら、「連続表示しますか?」でYと答えたのがまずかったみたい。これからは気を付けようっと。

とまあ、こんな感じで色々と試して見た。でも、色々と触っているうちになんか変な事をしたみたい。

---------------------------------------
メニューモードにしますか ([32mYes[m,No):Y
メニューを毎回表示しますか ([32mYes[m,No):Y
登校するとおしゃべりが聞こえますがよろしいですか ([32mYes[m,No):Y

0:学園正門に戻る return to main menu
1:出席表を確認する log typing
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7:画面を初期化します clear screen
8:役職の参照 type status
9:バージョンの表示 type version

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番号を入力して下さい Hit the number only >0

1:教務課 user information
2:教室・クラブ館 britain board system
3:郵便ポスト mail
4:学生ホール chatting
5:下校する offline

学園正門 - Main Menu -
番号を入力して下さい Hit the number only >2

0:学園正門に戻る return to main menu
1:授業に出席する read board
2:レポートを提出する write board
3:図書貸出業務 Y-modem batch transfer
4:履修届の提出 board entry
5:履修した授業へ出席 entry board around cource
6:ノートを丸写しする entry board non-stop cource
7:自主休講する move reading pointer

教室・クラブ館メニュー Britain Board System
番号を入力して下さい Hit the number only >1

*  1. \UTV 101号教室(ウジテレビジョン)
*  2.  \SHINKAN 102号教室(新入生歓迎ボード)
*  4.  \PROFILE 学生生協(自己紹介ファイル)
* 10.  \STUDIO  クラブ館(スタジオMIDI)
* 11.  \OTHERO  クラブ館(オンラインオセロゲーム)
* 13.  \PIXEL   クラブ館(画材屋PIXEL)
* 15.  \FOMURA  クラブ館(シーズンインF1ボード)
* 17.  \GAME    クラブ館(ゲームボード)
* 18.  \BASE    クラブ館(野球部)
* 20.  \INFO    掲示板
* 21.  \MANUAL  履修規定

どのボードを読みますか Choose the board. (?:Board list)>1

No.1 「101号教室(ウジテレビジョン)」

[32m- - - - - - - - -[m
No.1 \utv[33m「101号教室(ウジテレビジョン)」 [m(1249/1250) 92/08/13 21:05
タイトル:[36mそうですぅ[m
→1247:[32mよこよこ、たてたて[m/UVAN48:順
364bytes UVAN1:[32m164君[m Command (?:説明 help):R

大岩街道というのは、名神高速沿いに走っている道のことですぅ。

しかし、あれも必ずしも「広くて走りやすい道」とは言えないなぁ。

あーあ、いつになったら外環状線って伸びるんでしょうねぇ。予定

ではあのまんまずーっと伸びて、川を越すはずなんですけどねぇ。

そしたら、羽束師に行くのも楽になるのに。

ウジテレビアナウンサー
164君 でした

[32m- - - - - - - - -[m
No.1 \utv[33m「101号教室(ウジテレビジョン)」 [m(1250/1250) 92/08/13 21:07
タイトル:[36mうーん、どうなんでしょうねぇ[m
→1248:[32mそれって、[m/UVAN48:順
291bytes UVAN1:[32m164君[m Command (?:説明 help):R

これは、人間から言っても、やっぱりガソリン入れた直後にぶっ飛ば

してるみたいなもんかもしれませんよ。

ただし、人間様のガソリンというのは、オロナミンC。ただし、

キリンのね。例えば、「関西風味」とか「日本ブレンド」とか。

ウジテレビアナウンサー
164君 でした

[32m読み終わりました。[m Just finished to read
Command (?:説明 help):
---------------------------------------

やだ~~~、なんか変な文字が出て来るよぉ。もう訳がわかんない。

ここは一つ、シスオペさんに聞いて見よう。えーと、電話番号は・・・あら、また電話が壊れたよぉ。だって、受話器をあげてもうんともすんとも言わないもん。で、もうここは最後の手。ワープロ君の電源を切るしかないわね。

私は、また公衆電話に駆け込んだ。

「ひろしくぅ~ん! また電話がこわれたぁ!」
「何! 今度は何をやったの?」

ひろし君も、さすがにびっくりしたみたい。私が事情を説明したら・・・

「そりゃつながる訳ないじゃない。パソコン通信って電話掛けてるのと一緒なんだからさぁ。」

う・・・、そうだった。

「で、問題のその変な文字って言うのは多分エスケープシーケンスだと思う。こっちで直しておくから『ESCシーケンスを使いますか』で必ずNと答えてよ。」

取り敢えず、電話が壊れてなくて安心安心。私は、また色々と試してみる事にした。

電子掲示板とか言うのもやってみた。色々と書いてあったけど、私がはっとしたのは、これだった。

---------------------------------------
No.2 \shinkan「102号教室(新入生歓迎ボード)」 (116/117) 92/08/17 19:32
タイトル:はじめまして、キューティー吉本さん
→115:はじめまして、キューティー吉本です。/UVAN171:キューティー吉本
350bytes UVAN48:順 Command (?:説明 help):R

はじめまして、順と申します。

初めて通信したら、びっくりするでしょ? 私も、最初はそうだったの

ですよ。そのうち慣れると思いますから、頑張って下さいね。

どうぞ、よろしく。 順。.

- - - - - - - - -
No.2 \shinkan「102号教室(新入生歓迎ボード)」 (117/117) 92/08/17 20:05
タイトル:どうもはじめまして
→115:はじめまして、キューティー吉本です。/UVAN171:キューティー吉本
512bytes UVAN1:164君 Command (?:説明 help):R

どうもはじめまして、ユーバーンのオペレーターやってます、164君

です。どうぞよろしくお願い致します。

順さんも言ってますけど、私も最初の頃はびっくりしたもんですよ。

あの頃は、「うわー、文字」って感じで。かと言って誰に聞く訳にも

いかず・・・ねぇ。でも、使って行く内に慣れて行ったもんですよ。

アクセスありがとうございました。また掛けてやって下さいね。

ウジテレビアナウンサー
164君 でした
---------------------------------------

このたった2つのメッセージを読んだ瞬間、私は硬直した。胸騒ぎがした。でも、それらはやがてどんな言葉を使っても、どの辞書を引っ張っても表現できない悦びに変わったの。

嬉しかった。本当に嬉しかったの!!!

うーん、これはどう嬉しいって言われても、言葉では表現できないなぁ。

なんて言うのかなぁ。ひろし君のメッセージはともかくとして(こらこら)、あのしょうもないメッセージを読んでくれている人がいるんだなぁって実感かなぁ。で、こんなメッセージに返事を書いてくれる人がいるんだなぁって。ふふふ・・・なんか思わず嬉しくなっちゃうの。うーん、確かにこれはやった人でないとわからないわね。順さん、ひろし君、本当にありがとう。

こう言うと変かも知れないけどぉ・・・なんかパソコン通信ってエッチに似てると思う。だって、「何をやってるか」見ただけだったら、絶対誰もしないと思う。でも、「なぜこんなことをしてるのか」・・・これを知った人からのめり込んで行くのよね。

あの後どうしたかですって? もちろん、「ありがとう」の返事をたっぷりと書いたわよ。そりゃあ・・・ねぇ。「感じたままに書けばいいんだよ」ってひろし君も言ってたし。嬉しかったなら嬉しかったって素直に書けば・・・ねぇ。

八、

次の日、私は大学の授業も上の空だった。なぜって? それはもう、私の部屋に帰ってからのお楽しみ・・・へっへっへ。

あの道代も、なんか不思議そうだった。

「恵美子ぉ、今日はどうしたのぉ? なんかおかしいよ。ははーん、さてはひろし君の他に男見つけたなぁ。ねぇ、白状しちゃいなさいよ。あたし相談にのったげるから。ひろし君のことなら心配しないで。あたしがもらったげるから!」

全く、あんたっていつも発想が単純なんだからぁ! かと言って、こればっかりはいくら口で説明してもわかりっこないしなぁ・・・

あーあ、もどかしい。どうしてあの楽しみを道代にも分けてあげられないのかしら。ねぇ、ひろし君、きっと私にモデムをくれた時って、今の私と同じことを考えてた、ねぇそうでしょぉ?

なんだかんだと言いながら、長く感じた一日も終わり。私は、ワープロ君の前に座ってアクセス・・・。

---------------------------------------
●アクセスされましたら、「掲示板」と「履修規定」を必ず読んで下さいね。
●アクセスできない、住所変更など、登録事項の変更やトラブル発生の時は、「学生課へのメール」までお願い致します。
前回出席時刻 92/08/17 15:21 2回線目に、 1200bps Normalで接続しています。

【到着】 未読のお手紙が1通届いています。 New mails are arrived
おしゃべりを聞きます。 Set on the chat mode.
---------------------------------------

ん? なんなの、この「未読のお手紙」って? まあいいや。触らぬ神にたたり
なし・・・ね。取り敢えずほっとこうっと。

えーと、まずは「新入生歓迎ボード」・・・と。

---------------------------------------
No.2 \shinkan「102号教室(新入生歓迎ボード)」 (118/120) 92/08/17 21:13
タイトル:お返事ありがとうございます
2reply 384bytes UVAN171:キューティー吉本 Command (?:説明 help):R

順さん、164君、お返事ありがとうございました。

ほんと、昨日は頭の中がパニックだったのですけど、ちょっとだけ慣れたみたい
です。私の書いたメッセージに返事が返って来て、ほんと嬉しかったです。

やっぱり女の子なので、色々と失敗やらかすかも知れませんけど、よろしくお願い
します。

- - - - - - - - -
No.2 \shinkan「102号教室(新入生歓迎ボード)」 (119/120) 92/08/18 01:38
タイトル:いえいえ、こちらこそ・・・
→118:お返事ありがとうございます/UVAN171:キューティー吉本
612bytes UVAN1:164君 Command (?:説明 help):R

うーん、やっぱりパソコン通信って言うのはRES書いて、それに

RESが返って来て、それにまたRES書いて・・・のくり返し

ですからねぇ。

まあ、ほんとたあいのないこと書いてますけどね。あんまり深く

考えないで、例えば今日あった出来事とか、なんかあったら書いて

やって下さいね。

ウジテレビアナウンサー
164君 でした

- - - - - - - - -
No.2 \shinkan「102号教室(新入生歓迎ボード)」 (120/120) 92/08/18 01:38
タイトル:はじめましてぇぇぇぇぇえええ!
→118:お返事ありがとうございます/UVAN171:キューティー吉本
181bytes UVAN4:Huck Command (?:説明 help):R

おお! 女の子が通信なんて珍しい!!!

164君、絶対放しちゃだめよ。

HUCK

---------------------------------------

わぁ! 返って来てる返って来てるぅ!!!

うーん、どうやらひろし君のメッセージに出て来ている「RES」って、きっと「お返事」のこと・・・よね?

なんか他にも色々とパソコン通信用語ってあるみたい。例えば、「文章なんかを書き込む」ことを「アップする」って言ってみたり(ひろし君に聞いたら「プログラムやデータをフロッピーから送信する事」だそうな。わけわかめ)、「文章なんかを読んでフロッピーに入れておく」ことを「ダウンする」って言ってみたり。まだ勉強する余地はありそう。

でも、女の子ってパソコン通信やってるって珍しいのかしら? そう言えば、あんまり見掛けないみたいだけど。

なんてことをつぶやきながら、画面に釘付けになってる私なの。ほんと、うるさいったらありゃしないわよ。あ、自分で言うのもおかしいわね。

でも、ひろし君、お願いだから私を放さないでね...

九、

日曜日、突然「ピンポーン」が鳴ったの。誰かなと思ったら、ひろし君。え~、来るんなら来るって言ってよぉ、って言ったら・・・

「あれ、メール送っといたんだけどなぁ・・・」

私が「メールって何?」って聞いたら、ひろし君こけてた。

「ほら、これ」

って言って見せてくれたのが、この画面。
---------------------------------------
●アクセスされましたら、「掲示板」と「履修規定」を必ず読んで下さいね。
●アクセスできない、住所変更など、登録事項の変更やトラブル発生の時は、「学生課へのメール」までお願い致します。
前回出席時刻 92/08/17 15:21 2回線目に、 1200bps Normalで接続しています。

【到着】 未読のお手紙が1通届いています。 New mails are arrived
おしゃべりを聞きます。 Set on the chat mode.

1:教務課 user information
2:教室・クラブ館 britain board system
3:郵便ポスト mail
4:学生ホール chatting
5:下校する offline

学園正門 - Main Menu -
番号を入力して下さい Hit the number only >3

0:学園正門に戻る return to main menu
1:手紙を読む read mail
2:手紙を出す write mail
3:出した手紙の確認 check mail
4:メール受付の停止 close/open mail post

郵便ポストメニュー Mail
番号を入力して下さい Hit the number only >1

No.0 「お手紙」

- - - - - - - - -
「お手紙」 (116/116) 92/08/17 22:23
タイトル:どう? 少しは慣れた?
118bytes UVAN1:164君 Command (?:説明 help):R

今度日曜日の10時頃、様子を見に行くから。

もし都合が悪いようだったら、返事をメールで頂戴ね。

ひろし

削除しますか ([Yes],No):Y
---------------------------------------

ああ、そう言えばこの前なんか「未読のお手紙が1通届いています」って出てたっけ?

「うん、このメールって言うのは、ある特定の人宛に送るメッセージの事なの。もちろん、他の人は読めないよ。」
「またまたぁ、ひろし君シスオペだから読めるんじゃないのぉ?」
「ううん、俺でも読めないの。まあ、もちろん俺宛のメールは別だけどね。だから、もしなんか連絡とかあったら、メール送ってくれてもいいよ。」
「ふう~ん。」

私は、思わず納得しちゃったの。くやしいから、ひろし君をちょっとからかってやろう。

「じゃあ・・・もし、もしも私が他の男の子をメールで誘っても、ひろし君にはわかんないんだぁ。」
「あ! そんなこと言うかぁ。いいよいいよ! そんなことしたら他の女の子にメールで飲みに誘って、恵美ちゃん独りぼっちにしちゃうから!」
「ひど~い!」

そのほんの一瞬、沈黙が流れたの。

「なあんてね。恵美ちゃんがそんなことするわけないもん。」
「わかんないわよぉ。」
「ううん・・・俺、恵美ちゃん信じてるから。」

ひろし君は、もうすでに私の肩に手を回してたの。

「ねえ・・・ひろし君。」
「ん?」
「ひろし君って、オペレーターさんでしょ?」
「うん、まあ・・・そうなのかなぁ。」
「じゃあ・・・今日は私のオペレーターさんになって。」
「今日だけでいいの?」
「ううん、ずっと...」

ひろし君はすでに私の胸元をまさぐっていた。私は、深い息を吐いた。私のブラウスはすでにボタンが外されていた。

私は、そっと目を閉じた。

「あ...ああっ、ひろし君...放しちゃいやよ。」

私は、ひろし君の愛撫に、必死のRESを返していた...すでにぐっしょりと湿ったパンティは、私の足首あたりで丸くて白いお花のようになっていた。

「あはぁ、ねぇ...キーボード触ってると指も舌もうまくなるのぉ、ああ...」

もうすでにひろし君は、私の中へとアクセスを始めた。
「ああ...もうだめぇ。いく、いくぅ...」

そして、私は深い眠りについた。あれから、どれぐらいの時間が経ったのかしら。ひろし君は、とろけるようなキスをくれたの。私、眠れるお姫様みたい。

その次の日、私は道代にこんなことを言われた。

「恵美子ぉ、あんた最近どこに長電話してんのよぉ! あんたん家、留守か話中のどっちかじゃないのよぉ!」

十、

最近は、どうもひろし君のネットだけでは飽き足りなくなって来たような気がする。「メッセージがありません」なんて出て来たら最低。だって、新しいメッセージを読みたくてもできないわけだし、RES書きたくても書けないし。

ひょっとしたら、ネットって他にもあるかもしれない。私は、ふらふらとさまよえる少女になった。

まずは、本屋さんに行った。そして、「全国BBSリスト」なる本を買って来て、パラパラとめくって見た。

「ふ~ん、京都だけでも色々ネットがあるもんなのねぇ・・・」

私は、手当たり次第にアクセスして見た。もちろん使い方なんてわかんないから、まずはヘルプ画面。ちょっと前にひろし君が言ってたっけ。

「もしわかんなくなったら、ヘルプ画面を見たらいいよ。こうやって・・・ほら、説明が出て来たでしょ?」

でも、結局ヘルプ画面を見てもさっぱりわかんないネットが結構あったりする。でもって、そういう所は回線を切る方法もわからなかったりする。そういう時には、ワープロ君の電源を切ってしまうの。もっとも、ひろし君から言わせれば、これは強制切断でルール違反らしいけどね。

私も色々と試してみた。あれこれアクセスしてみたけど、「Tポリス」というネットと「ピカピカネット」というネットが結構面白くて、ひろし君のネットへ行った後、このネットも行く事にした。

それでも飽き足りない私は、もっと面白いネットはないかと商用ネットも試してみる事にした。でも、問題はお金。草の根ネットって言う、ひろし君みたいな人が趣味でやってるネットって言うのは電話代以外にお金がかからないの。でも、商用ネットは完全に商売だから、電話代の他に使用料を取られるのね。

商用ネットって結構たくさんあったりするの。例えば、「QC-VAN」とか「Nif-T」とか「Joshin Hot-line」とかね。で、この商用ネットもオンラインサインアップできるみたいだけど、困ったのはクレジットカードがないとオンラインサインアップできない事。私、カード持ってないのよね。

悔しいから、私もカードを持つ事にした。これもなんか色々あってどれにしようか迷ったけど、「CCB」というカードを申し込む事にした。なんか申込書には

「お急ぎの方には、3営業日で発行します。当社窓口までお越し下さい。営業時間は9:00~17:00で日曜・祝日は休ませて頂きます。」

・・・て書いてあったの。あたし、今すぐにでも欲しいぐらいだから、申し込みに行っちゃった。とは言え、窓口が開いているのは平日の昼間。私、大学があるから、道代に代返お願いしたわよ。

「ねぇ、道代ぉ。一生のお願い。明日の授業、出席取る時私の分も返事してよぉ。」

とか言ってね。

こうやってクレジットカードを手に入れた私は、商用ネットにまで手を出した。さすがに商用ネットは広いわねぇ。ボードとかも結構あるし、FAXサービスって言ってメールを送ったらFAXに送ってくれたりして。それと、大概の商用ネットって解説書を売ってるから、わかんなくなったらこれを読めばいい訳だし。

私が最近さまよってるのは、SIG。これは、商用ネットの中に草の根ネットみたく自分で勝手に作ったメニューとかボードとかが出て来るの。SIGって言ってもいろんなのがあってぇ、例えば「車のことを話すSIG」とか「英語専用のSIG」とかみたいな真面目なSIGから、「気のあった仲間とどうでもいい事を話すSIG」もある。

SIGには、シグオペさんって言う、そのSIGを管理する人がいるんだけどね。どんなSIGを作るかはシグオペさんの感性だから、なんかひろし君とかのネットに行ってるみたい。それでいて商用ネットは会員数が数万人・数10万人って世界だから、いろんな人が書いてるし。

こうして私は、あっちこっちのネットへと顔を出して、ふらふらとさすらい歩いたの。へっへっへ...私って結構な有名人?

困ったのは道代。

「恵美子ぉ、あんた最近どこに長電話してんのよぉ! あんたん家、留守か話中のどっちかじゃないのよぉ!」

どこに長電話してるのって・・・ねぇ・・・

十一、

今、私はひろし君のネットぐらいしかまともに書いてない。さすがの私もちょっと疲れたの。アクセスしても、ただ読むだけ。色々書いてたけど、ぽつーんと書かなくなったネットがいくつあることか。

「それって、あれだね。取り過ぎたクジラだね。」

ひろし君はこんなことを言っていた。

「俺も昔やったよ。まだパソコン通信始めたばっかりの頃でさぁ。もっと面白いネットってないかなぁと思ってあっちこっちID取ってぇ。で、それがROMになり、幽霊会員になっていったんよ。」

ひろし君曰く、ROMというのはRead Only Memberの略でボードを読むだけの人。幽霊会員というのは、IDを持っているだけで全然アクセスしない人なんだって。

「だから、俺も大概ID取ったけど、消されたやつも結構あるんじゃないかなぁ。」

うーん、やっぱりひろし大先生は経験が豊富でいらっしゃる。あたしがやらかしたことって、大抵ひろし大先生にはお見通しなわけね。

「いや、それは昔俺もやったからねぇ。」

と言ってたけど。

あ、そうそう、私がひろし君のネットに行ってたら、こんなことがあったの。

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1:教務課 user information
2:教室・クラブ館 britain board system
3:郵便ポスト mail
4:学生ホール chatting
5:下校する offline

学園正門 - Main Menu -
番号を入力して下さい Hit the number only >
(host)Huckさんが登校しました。
番号を入力して下さい Hit the number only >
(Huck)ねぇ、チャットしようよう
番号を入力して下さい Hit the number only >
(Huck)チャットチャットチャット・・・・・
番号を入力して下さい Hit the number only >
(Huck)「4:学生ホール」で待ってるよ。
番号を入力して下さい Hit the number only >
---------------------------------------

まあ、私も何のことだかわかんなかったけど、たぶん何とかなると思ってチャッ
トというものをやってみる事にしたのね。

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1:教務課 user information
2:教室・クラブ館 britain board system
3:郵便ポスト mail
4:学生ホール chatting
5:下校する offline

番号を入力して下さい Hit the number only >4

0:学園正門に戻る return to main menu
1:おしゃべりする chatting
2:他の回線の状態を見る line list
3:授業に専念する chat off
4:おしゃべりを聞く chat on
5:出席率の表示 type access time

学生ホールメニュー Chatting
番号を入力して下さい Hit the number only >1

「Q」で、メニュー・コマンドに戻ります。「?」で説明が出ます。 Type "Q" then quit.
Chat (?:説明 help):
(Huck)こんばんわ
Chat (?:説明 help):
(Huck)あら、どうしたのかな???
Chat (?:説明 help):
(Huck)おーい
Chat (?:説明 help):
(Huck)もしかして、使い方がわかんないのかなあ
Chat (?:説明 help):
(Huck)そのまま打てばいいんよ
Chat (?:説明 help):
(Huck)「こんばんわ」って打ってごらん
Chat (?:説明 help):
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私も、よくわかんないけど取り敢えずやってみよう、と思ったのね。今から思えば、それがチャットへとはまって行く原因になったのかも知れない。

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(Huck)「こんばんわ」って打ってごらん
Chat (?:説明 help):こんばんわ
(キューティー吉本)こんばんわ
Chat (?:説明 help):ああ、そ
(Huck)はい、こんばんわ
Chat (?:説明 help):ああ、そういうことだったんですね。わかりました。
(キューティー吉本)ああ、そういうことだったんですね。わかりました。
Chat (?:説明 help):
(Huck)そそ・・・
Chat (?:説明 help):へえ・・・
(キューティー吉本)へえ・・・
Chat (?:説明 help):これってお
(Huck)わかりましたか?
Chat (?:説明 help):なんかこれって面白いですねぇ。
(キューティー吉本)なんかこれって面白いですねぇ。
Chat (?:説明 help):要は打ったま
(Huck)そうでしょそうでしょお!!!
Chat (?:説明 help):要は、打ったまんまHuckさんにも届く訳ですね
(キューティー吉本)要は、打ったまんまHuckさんにも届く訳ですね
Chat (?:説明 help):
(Huck)そうそう
Chat (?:説明 help):
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で、あの後すっかりはまりこんでぇ。なんかいろんな事しゃべっちゃった。話ではHuckさんも大学生らしいのね。で、お互いの大学がどうのとか、レポートがどうのとかしゃべってたのね。そしたら・・・

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Chat (?:説明 help):
(164君)こらこらこらっ! 何喋ってんの!
Chat (?:説明 help):
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なんと、ひろし君までやって来たの。もう、後はぐちゃぐちゃ。わけわかんない。ひょっとして、ひろし君って家にいる時はずっと画面の前であたしが何やってるか見てるのかなぁ。

それにしても、この2人のキーボード打つスピードの速い事速い事。

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Chat (?:説明 help):
(164君)ったく、人の女に手を出しやがって(笑)
Chat (?:説明 help):
(Huck)え? 164君の彼女だっの?
Chat (?:説明 help):
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この男共は、なんかとんでもないことを話し始めるんだからぁ!

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(キューティー吉本)ねぇ、これってどうやったら終わるの?
Chat (?:説明 help):
(164君)半角でQって打ってごらん
Chat (?:説明 help):Q

チャットを終了します。

0:学園正門に戻る return to main menu
1:おしゃべりする chatting
2:他の回線の状態を見る line list
3:授業に専念する chat off
4:おしゃべりを聞く chat on
5:出席率の表示 type access time

学生ホールメニュー Chatting
番号を入力して下さい Hit the number only >
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もう、その後でひろし君とこに怒りの電話爆発よ! ひろし君もさすがに「ごめんごめん」って謝ってたけど。

こうやって、私はチャットへとのめりこんでしまった。まあ、お相手はひろし君が多いかなぁ。たまに他の人ともチャットしたりするけど。でも、やっぱりできるだけひろし君しかいない時を狙ってるかな。

なぜって? いっぺんとんでもない目にあったんですもん。ひろし君とチャットしててぇ、終りしな「それじゃあ明日、いつもの場所でね」なんてひろし君だけに送ったつもりが、全員に送ってたのね。もう、そっから後が大変。

「へぇ、そうかぁ、キューティー吉本さんってひろし君と付き合ってたのかぁ」

なんて話しになってぇ、すったもんだしたの。後でひろし君には怒られるし、ひろし君と付き合ってる事がばれて、あっちこっちのボードに書かれるし、大変。

で、大変なことって続くもんなのよね。1週間ぐらい前、電話局から請求書が来たんだけど・・・

「げっ、8万円!!!」

もうびっくりしたなんてもんじゃないわよ。ひろし君には「これで恵美ちゃんもネットワーカーの仲間入りだな」なんて笑われるし。「そんなに電話代が怖かったら、わざわざうちに電話するなよ」なんて言われるし。

ああ、今日も私のBカップにしみる...

「この電話は、お客様のご都合により通話ができなくなっております。」