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飛行機の正規運賃を見ると、やはり新幹線と比べると割高です。しかし、飛行機は色々な運賃がありまして、中には新幹線といい勝負だったり、むしろ新幹線よりも安い運賃があったりします。陸を走るより空を飛ぶ方がエネルギーがかかるはずだし、飛行機には新幹線よりたくさんの人が乗っているし、一体なぜこんなことができるのか。理由は大きく2つあります。理由の一つが、
新幹線の場合、地上設備に大きなコストがかかる
ということです。新幹線に限らず、鉄道は必ず線路が必要です。ところが、この線路を引く時点で莫大なコストがかかります。また、電車の場合は送電設備も作らないと行けません。更に、作った後も線路や送電設備をメンテナンスしなければならず、このコストが大きいのです。もちろん、お客さんが乗り降りするための駅も必要です。
ところが飛行機の場合、空を飛ぶので線路は不要です。また、空港は必要なのですが、基本的に空港運営会社から借りる形態を取っていまして、航空会社が空港を作っているわけではありません。なので、地上設備にかかるコストは、飛行機の方が小さいわけです。
ちなみに新幹線の場合、運転手が1~2名。車掌は、東海道新幹線の場合で3名です。飛行機の場合、必ずパイロットが2名以上載っています。客室乗務員の人数は法律で決まっていまして、基本的に非常口の数だけ乗せなければいけません。なぜかと言うと、客室乗務員は緊急時に避難誘導をしなければならないからでして、例えばボーイング787の場合、非常口は8つついているので最低8名の客室乗務員を乗せなければいけません。
もう一つの理由が、飛行機の場合は多種多彩な運賃があるからです。なぜかと言うと、
飛行機の場合、旅行会社が売っているケースがかなり割合を占める
ということなのです。旅行会社というのは、航空会社や鉄道会社、ホテルや旅館などに変わってお客さんから予約を承り、代金や運賃も代わりに収集します。で、自分たちに代わって予約や代金決済をしてくれた代わりに、手数料を航空会社や鉄道会社、ホテルや旅館などから受け取ります。この仕組みだと、航空会社や鉄道会社、ホテルや旅館から見れば、わざわざ自分たちが営業しなくても、旅行会社がお客さんを連れてきてくれる分、ありがたいというわけです。
・・・とここで、賢明な方はお気づきかもわかりませんが、実は航空会社って、旅行会社には正規の運賃よりも安い運賃で卸しているんです。で、この運賃の差額が旅行会社の儲けなのです。ここで、旅行会社が自分たちの儲けを削れば、正規の運賃よりも安い運賃で搭乗券を売ることができます。また、旅行会社が旅行を企画する際に、
「お客さんをいっぱい連れてくるから、運賃を安くしてよ。」
とお願いして、座席をいっぱい確保する代わりに、運賃を安くしてもらうケースもあります。もちろん、タダで安くなるわけではありません。例えば、他の便への変更ができないとか、キャンセルをすることができないとか、マイレージの加算ができないとか、色々な条件をつけます。こうして、旅行会社が通常よりも安い運賃で搭乗券を購入し、通常よりも安い運賃でお客さんに売ってくれるので、正規運賃よりも安い運賃が存在するのです。これがいわゆる、非正規運賃です。
しかし、ここで航空会社は気付きます。
「旅行会社がどんどん値切るんだったら、旅行会社に出している運賃よりもちょっとだけ高い運賃で、お客さんに売れば、うちはもっと儲かるんじゃない?」
しかも、昨今ではインターネットが普及して、航空会社が直接お客さんから予約を受け付けたりすることが簡単になってきました。しかも、クレジットカード決済にすれば、予約と同時に搭乗券を売ることもできます。最近だと、2次元バーコード入りの搭乗券をプリンターで印刷したり、メールで送ったりすることもできます。
おっと、話がそれてしまいました。話を元に戻します。
インターネットが普及した結果、わざわざ旅行会社を通さなくても、お客さんにインターネットで座席の予約や、搭乗券の発券ができるようになったんです。このため、旅行会社への卸値よりは高く、正規運賃よりも安い運賃で、航空会社が搭乗券を売り始めたのです。もちろん、タダで安くなるわけではありません。○○日以上前に予約しないといけない、予約後の変更はできない、マイレージ会員でないといけない等々、色んな条件がつく代わりに、運賃が安くなるわけです。
結論を言うと、飛行機って旅行会社が正規運賃よりも安い運賃で売るケースがあり、そこへ航空会社も加わった結果、あれだけいろんな運賃が存在するというわけです。確かに、どこで買えば運賃が安くなるのか、血眼になって探している人も中にはいます。もちろん、キューティー吉本的は安くなるのは大いに結構だとは思いますが、ここで大きく時間をロスしてしまったのでは本末転倒な気がします。
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