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宇都宮ライトレールとは
宇都宮ライトレールは2023年8月26日に開業しまして、宇都宮駅東口から宇都宮大学陽東キャンパス、平石、清原地区市民センター前、芳賀工業団地管理センター前を経由して、芳賀・高根沢工業団地へ行きます。将来的には、宇都宮駅西口から先に延ばす計画だそうです。
「果たしてどれだけお客さんが来るのか」
・・・と心配されていたのですが、予想を上回る乗客が利用しているそうです。それは喜ばしい限りなのですが、問題は土日を中心に遅延が常態化しているという点です。
なぜよく遅れるのか
最大の原因は、現金での精算に時間が掛かるからです。
宇都宮ライトレールは現金以外にも、totra・Suica・PASMOなどの交通系ICカード(以下、Suicaと略します)が使えます。平日はSuicaでの支払いが多く、それほど遅延は発生しないそうです。問題は土・日・祝日で、現金での支払いが多く、運賃の精算に時間が掛かるために遅れるのだそうです。
宇都宮ライトレールの乗り方
宇都宮ライトレールは運賃後払い方式です。運賃は150~400円で、乗った区間によって異なります。各駅には、電車の乗り方が書いてあります。
運賃をSuicaで支払う場合、すべての扉から乗り降りできます。乗るときには緑色のICカードリーダーに、降りるときは黄色いICカードリーダーにタッチします。
このため、宇都宮ライトレールの電車には、すべての扉にICカードリーダーが付いています。広島電鉄、つまり広島の路面電車と同じ仕組みです。
問題は、現金で乗る場合です。運賃を現金で支払う場合、乗るときに整理券を取ります。整理券を見ればどの停留所から乗ったかわかる仕組みになっています。降りるときは一番前、つまり運転手さんがいる扉から降ります。降りる際に、運賃箱に整理券と現金を入れます。
・・・と、ここで問題は整理券です。この写真が扉の横なのですが、何かお気づきになりませんか?
そうなんです。ワンマン運転のバスとか列車とかって、乗車扉の横に整理券発行機がありまして、ここで整理券を取ってから乗るんです・・・が、扉の横に整理券発行機がないんです。
整理券発行機がどこにあるのかというと、各停留所にあるんです。しかも、停留所によっては出入り口から奥の方の、わかりにくいところに置いてあるんです。
なので、現金で乗るときは、まず停留所で整理券を取ります。乗るときは、すべての扉から乗れます。降りるときは、一番前の扉から、運賃箱に整理券と運賃を入れてから降ります。
土日に現金での支払いが多い理由
これはジーン吉本の想像ですが、考えられる理由は以下の通りです。
- 乗車頻度が低いから
- 子連れの場合、結局一番前で精算しなければならないから
- そもそもtotraをどこで買えばいいかわからないから
1.乗車頻度が低いから
首都圏在住の人は普段から電車を利用するケースが多く、かなりの確率でSuicaを持っています。宇都宮ライトレールでもSuicaは使えるので問題なしです。
しかし、普段は車を使っている人の場合、Suicaを持っていない人が多いです。そこで、宇都宮ライトレールでは、totraという交通系ICカードを出しています。totraは宇都宮ライトレールのほか、Suicaが使えるところでもそのまま使えます。
ただし、
「どうせそんなに乗らないんだから、ICカードなんて要らないじゃん。」
・・・と考えている人もいらっしゃるかと思います。
2.子供連れの場合、結局一番前で精算しなければならないから
また、子供連れの場合は運賃は親が支払うため、Suicaを持っていても結局は一番前の運転手さんに言って、精算しなければならないのでメリットがないのです。(小児用totraを子供の人数分持っていれば別ですが)
3.そもそもtotraをどこで買えばいいかわからないから
totraがあれば便利なのはわかっていても、どこへ行けばtotraが買えるのかがわからない人もいらっしゃるかと思います。ちなみに、宇都宮駅東口停留所と平石にある車両基地のほか、関東自動車・ジェイアールバス関東のtotra取扱窓口で買えるそうです。
また、チャージは車内でできるとは書いてあるのですが、JR宇都宮駅の自動券売機やコンビニエンスストアでチャージできるとは書いてありません。なので、
「車内でないとチャージできないんだったら面倒じゃん」
・・・と思っている人もいらっしゃるかもしれません。
どうすれば現金精算が速くなるか
現金精算に時間が掛かっている停留所はずばり3つ。宇都宮駅東口、宇都宮大学陽東キャンパス、芳賀・高根沢工業団地です。宇都宮駅東口と芳賀・高根沢工業団地は終点なのでまだわかるとして、宇都宮大学陽東キャンパスがなぜ混むのかというと、停留所の目の前にベルモールという商業施設がありまして、そこへ行く人が多いんです。
この中で一番時間が掛かっているのが、当然ですが宇都宮駅東口です。なので、運転手だけではなく、駅係員も運賃の収集を行っています。
これを踏まえて、運賃の収集を早くする方法を考えてみたいと思います。
1.整理券発行機を車内に置く
首都圏のバスで現金で支払う人は少数派とはいえ、これはどうにかならなかったのかなぁ・・・と正直思います。やはり整理券発行機は、車内に置いて欲しいです。
なぜかと言うと、ワンマン運転のバスとか列車とかって、乗車扉の横に整理券発行機がありまして、ここで整理券を取ってから乗るんです。なので、車内に整理券発行機がないと
「あ、ここは整理券が要らないんだ」
・・・と思われてしまうんです。もし整理券を持っていない人がと、その対応に時間が掛かってしまいます。
ちなみに、この写真は富山地方鉄道の電車です。扉の横に整理券発行機とICカードリーダーが置いてあります。
2.ホームに自動券売機を置く
さすがに全駅にとまでは行かないかもしれませんが、乗り降りの多い宇都宮駅東口と、宇都宮大学陽東キャンパスには自動券売機を置いて、切符の購入とSuicaのチャージができるようにして欲しいです。
乗り降りの多い停留所で切符を販売すると、運転席では切符を回収するだけでいいので、時間を短縮できます。
ちなみに、この方法を使っているのが京阪電車の大津線区間(つまり路面電車)です。ご覧のように、無人駅でも自動券売機があります。
3.後ろの運賃箱でも両替とチャージができることを案内する
また、Suicaへのチャージは前の運賃箱だけでなく、後ろの運賃箱でもできます。もし、後ろの運賃箱でも両替やSuicaへのチャージができるのであれば、その旨を車内放送で案内して欲しいです。そうすると、下車するタイミングで両替やチャージをする人が減る分、時間を短縮できます。
ちなみに、広島電鉄では
「両替とチャージは後ろの運賃箱でもできます」
・・・と放送が入いります。また、一部のバスでは
「PASMO、Suicaは車内だけではなく、駅やコンビニエンスストアでもチャージできます」
・・・と放送が入ります。
想定よりも多くのお客さんに乗っていただけるのは喜ばしいことなのですが、電車が遅延するレベルで運賃精算に時間が掛かるのであれば、これは手を打たないとダメでしょう。この記事の執筆時点ではまだ開業してからあまり時間が経っていないので、これからいろいろな手を打っていただけることを期待します。
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