その昔、京都市交通局は市バス・京都バス 一日乗車券という乗車券を販売していました。この一日乗車券、何とたったの500円で、市バスの均一料金区間(つまり、京都市内中心部)と京都バスが乗り放題になるんです。
しかし、あまりにも便利すぎて、インバウンドを中心に外国人観光客がこぞって利用した結果、市バスが大混雑。しかもみんなでっかい荷物を持っていまして、地元民が利用しづらい状態になってしまったのです。
そこで、京都市交通局は一日乗車券をやめて、地下鉄・バス1日券を販売することにしたのです。
この地下鉄・バス1日券、市バス・京都バス 一日乗車券との違いはというと・・・
- 京都地下鉄烏丸線と東西線(つまり地下鉄全線)で利用できるようになった
(そうですよね。地下鉄・バス1日券なんですから) - 市バスが均一料金区間外でも利用できるようになった
(つまり、市バス全線で利用できるようになった) - 市バスと京都バスに加えて、京都市内中心部を走る京阪バスとJRバスでも利用できるようになった
(つまり、京都市中心部の、大抵の路線バスが利用できるようになった)
・・・と、この切符で乗り放題になる範囲が随分と広くなりました。
その代わり、お値段ががくんと上がりました。大人1,100円、子供550円です。市バスの均一料金区間は230円ですから、最低5回は乗らないと元が取れない計算です。地下鉄の運賃は距離によって異なりますが、220~360円です。やはり3~5回は乗らないと元が取れません。
では、この乗車券のメリットはと言いますと、観光特急バスに乗れるんです。
観光特急バスとは、京都駅から清水寺、祇園、平安神宮、銀閣寺の最寄りバス停にしか止まらないバスです。他の停留所を通過する分、早く着く上、間違えて他のバス停で降りてしまう心配もありません。
観光特急バスは土・日・祝日などの休日のみの運行で、京都駅バスターミナルのD1のりばから発車します。で、このD1乗り場、京都駅でもかなり目立つところにあります。
観光特急バスは赤地に白の文字で、バスの前面に「観光特急」と書いてあります。
問題は運賃。大人500円、子供250円です。何と、普通の市バスの2倍以上します。
「そんなの一体誰が乗るんだよ。」
何とこの観光特急バス、地下鉄・バス1日券で乗れるんです。で、観光特急バスで往復して、あとバス1回乗れば、地下鉄・バス1日券の元が取れてしまうんです。
実は、これが京都市交通局の策略。地元民は1日券を買わないので、普通のバスに乗ります。インバウンドをはじめ、観光客は1日券で乗るので、観光特急バスに乗ります。なので、地元民が乗るバスと、観光客が乗るバスを分離できるんです。
地下鉄・バス1日券をおススメできるのは、ずばりお宿が京都駅周辺にある観光客。ホテルが京都駅周辺ですと、京都市内の主要な観光名所へ行こうと思ったらバスか地下鉄しかなく、1日券で元を取りやすいかと思います。
逆にお勧めできないのが、お宿が祇園・東山エリアや、嵐山エリアにある観光客。この場合、徒歩圏内に観光名所が結構ある上、移動が京阪電車や阪急電車になるので、1日券を買う必要はないでしょう。
なお、地下鉄・バス1日券は地下鉄・バス案内所や定期券売り場のほか、地下鉄の各駅窓口や市バス車内でも販売しています。
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