ジーン吉本的には、ここんところのJR東日本の施策って、利用者を無視しているんじゃないかって感じます。で、JR東日本が今年(2024年)何をやらかしたのかというと・・・
京葉線のダイヤ改正
まず、京葉線のダイヤ改正です。
2024年3月のダイヤ改正(・・・ていうか、改悪だと思うのですが)で、通勤快速を廃止して、ラッシュ時間帯の快速もやめて各駅停車に一本化するというものでした。しかし、この話を聞いた千葉市をはじめとする沿線自治体が猛反発した・・・という話です。
ジーン吉本的には、こんなダイヤ作ったらこうなるだろうと、JR東日本はなぜわからなかったのだろうと思ってしまうのですが・・・
では、なぜJR東日本はこんなダイヤ改正をしたのか。公式にはJR東日本は色々言い訳をしていますが、答えは簡単。
快速のお客さんを、各駅停車に乗せたい
・・・ということです。
実はJR京葉線、通勤快速と快速、武蔵野線直通列車はお客さんでいっぱいなのですが、各駅停車ってラッシュ時でもがらがらだったのです。そこで、
「通勤快速と快速をやめたら、みんな各駅停車に乗ってくれるんじゃない(・・・ていうか、各駅停車に乗るしかない)。」
・・・ということで、通勤快速と快速をやめたのです。これが、JR東日本が言うところの平準化なのです。
しかし、普通の企業であれば、お客さんが多い商品の供給を増やすはずです。今回のケースのように、通勤快速と快速が混雑するのであれば、各駅停車の本数を減らして、通勤快速と快速の本数を増やすのが正解なのです。
このJR東日本のダイヤ改正、どれぐらいひどいかというと。JR東海が、東海道新幹線ののぞみを利用するお客さんが多いからと言って、のぞみとひかりをやめて、全部こだまにして平準化しましょうというぐらいの暴挙なのです。
では、なぜ各駅停車の本数を減らして、通勤快速と快速の本数を増やさなかったのか。考えられる理由は、二俣新町駅の存在です。
仮に京葉線の各駅停車の本数を減らしても、武蔵野線直通の各駅停車を増やせば、各駅停車の本数は確保できるはずです。しかし、二俣新町駅は駅の構造上、武蔵野線直通列車が止まれないのです。
とはいえ、二俣新町駅の周辺は工場や倉庫ばっかりで、住宅はあんまりありません。なので、乗客数もそれほど多くありません。
「でも、工場や倉庫への通勤需要があるんじゃないの?」
なくはないと思いますが、大抵二俣新町駅周辺の工場とか倉庫とかで働いている人は、西船橋駅から送迎バスで通勤しているんです。事実、西船橋駅って、朝は送迎バスがひっきりなしに来ます。
なので、二俣新町駅の本数が減っても「別に~」なんです。なので、今回のケースの場合、各駅停車の本数を減らす代わりに、武蔵野線直通列車と快速の本数を増やすのが正解としか思えません。
・・・で、JR東日本もさすがにまずいと思ったのか、快速の増発に踏み切るらしいです。果たして、平日7時台と8時台の快速が運転されるのかどうか、まずは改正後のダイヤを見極めたいと思います。
みどりの窓口の削減
次に、みどりの窓口の削減です。
JR東日本は、みどりの窓口を削減するという方針を発表しました。で、自動券売機やえきねっと(JR東日本のインターネットサービス)の利用に舵を切ることにしたのですが。本当にみどりの窓口を削減した結果、みどりの窓口が大混雑するという事態に陥りまして、結局みどりの窓口の削減計画を凍結する事態になりました。
ジーン吉本的には、今の状態でみどりの窓口を減らしたらこうなるのは当たり前で、JR東日本はなぜわからなかったのだろうと思ってしまうのですが・・・
これはジーン吉本の思いなのですが、みどりの窓口を削減する前に、やるべきことがあるんじゃないのかって思うんです。それは・・・
1.磁気きっぷを廃止して、QRコードを導入する
ジーン吉本が思うに、JRのインターネット化を阻んでいる最大の原因は、磁気切符なのでないかと思うのです。磁気切符というのは、自動改札機を通れるよう、裏が黒または茶色になっている切符のことです。
しかし、これだと専用の機械を使わないと切符の発行ができず、切符を買いに自動券売機に並ぶか、みどりの窓口に並ばないと行けないのです。
磁気切符をやめて、QRコードにすれば、インターネットで予約して、切符は紙に印刷するなり、スマートフォンの画面に表示することができますから、わざわざみどりの窓口に行く手間が省けます。でもって、切符の払い戻しもインターネットでできるはずです。一旦発行したQRコードを無効にすればいいだけですから。
事実、東武鉄道は磁気切符を全廃する方針を出しています。特に外国人を相手にする場合、切符の手配を日本国外から行うケースは十分に考えられまして、インターネットで切符を購入して、QRコードを印刷すれば、わざわざ自動改札機とか切符売り場とかに行く必要がなくなりますからね。
なお、JR東日本をはじめ、首都圏の鉄道会社が共同で、切符をQRコードにするそうです。ただし、対象は近距離切符のみ。やはり新幹線や特急に乗るための切符もQRコード化してほしいですね。
2.切符の変更や払い戻しを自動券売機でできるようにする
これは意外と知られていないのですが、これは現状でもできます。自動券売機の画面を見ると、ちゃんと「きっぷの払い戻し」というメニューがあります。
また、自動券売機は大抵の場合、切符を入れると現金が戻ってくる仕組みになっています。
それは昔、山陽電車に乗った時のことでした。ジーン吉本がスルッと関西のプリペイドカード(首都圏で言うところのパスネットカードですね)で乗車して、いざ降りるときに残高が足りないことに気づいたのです。で、精算機で精算しようとしたのですが、いかんせん小銭がなく、周りを見渡しても両替機がありません。(・・・ていうか、普通ないでしょうね)
更に、山陽電車ってよほどデカい駅を除いて無人駅でして、駅員さんはいないので何かあればリモート対応なのです。で、
「両替したいんですけど」
・・・と言ったら、
「改札を開けますので、出てください。で、自動券売機で一番安い切符を買ってください。」
・・・と。頭の中が「???」状態で、言われた通り一番安い切符を買いました。で、
「切符を買ったら、その切符を自動券売機に入れてください。」
・・・と。すると、代金が返ってきたんです。
すべての自動券売機がそうなっているかどうかはわからないのですが、どうやら間違えて切符を買ったとか、両替をしたいとか行った目的で、その駅で買った切符を入れると払い戻しされる仕組みになっているみたいです。
3.みどりの窓口でないと売っていない切符をなくす
例えば、寝台特急はえきねっとでは売っていないんですね。
また、通学定期券は窓口へ行かないとダメです。正確に言うと、入学時に1度行けば、後は自動券売機などで買えるそうです。逆を言うと、入学時の最初の購入は窓口へ行かないとダメで、そうなるとみどりの窓口が大混雑するのは明らかです。で、通学証明書等をスマホのカメラで撮影して、インターネット等で購入できるようにしたとしても、やはり混雑するのではないかと思います。
更に、列車が遅れた場合の変更や払い戻しなど、これもインターネットでできれば便利なのですが、これも混雑の可能性はあります。
結局のところ、どうしても人海戦術にならざるを得ないケースはありますが、これを如何に減らすか。また、仮にみどりの窓口を削減して、コールセンターで対応するにしても、コールセンターに十分な人数を配置しないとダメです。
4.クレジットカードで自動改札機を通れるようにする
クレジットカードを自動改札機にタッチすればそのまま電車に乗れて、運賃はクレジットカード引き落としにするサービスです。これは、東急電鉄などの鉄道会社がすでに始めていますが、JR東日本もやって欲しいです。
なぜかと言うと、首都圏に住んでいる人はSuica・PASMOなどの交通系ICカード(以下、Suicaと略します)を持っていますが、そうでない人はSuicaを持っていないからです。
ちなみに、宇都宮ライトレールもSuicaに対応していまして、Suicaを使えばすべての扉から乗り降りできます。しかし、土日は皆して運転席隣の運賃箱に並ぶ状態でして。その結果、運賃の精算に時間が掛かりまして、これが電車の遅延の原因になっています。では、なぜ精算に時間が掛かるのかというと、地元の人たちは皆Suicaを持っていないからです。
Suicaをみんな持っているなんて思ってはダメです。普段列車を使わない人は、Suicaなんて持っていないわけですよ。特に、日本に来た外国人観光客にSuicaを使ってもらおうなんて、ムリに決まってます。
ただし、外国人観光客であれば、まずクレジットカードは持っているわけです。また、Suicaを持っていない日本人でも、クレジットカードなら持っている可能性はあります。だから、クレジットカードを自動改札機にタッチすれば通れるシステムって必要なのです。
「それじゃSuicaの意味ないじゃん。」
・・・と思うかもしれませんが。定期券を使っている人や、クレジットカードを持てない人(高校生・中学生と小児はムリですよね)もいらっしゃるので。仮にクレジットカードで自動改札機を通れるようになったとしても、Suicaは必要なのではないかとジーン吉本は思っています。
これらの施策を実施して、みどりの窓口が余剰になった状態で削減するのであれば、まだ理解できます。それもやらずにみどりの窓口を削減するなんて、暴挙以外の何物でもないです。
JR東日本が暴挙に走るのはなぜ?
では、なぜJR東日本が、ユーザーを無視した施策に走るのか。
注:これはジーン吉本の想像であり、JR東日本に確認したわけではありません
最大の原因は、鉄道事業そのものが、これから先収益を大きく伸ばすのが難しいからです。
まず、新型コロナの影響で、乗客が大きく減少しました。更に少子高齢化の影響で、これから先は労働者の人口も、学生の人口も減っていきます。そうなると、鉄道事業の収入は減っていくわけで。JR東日本としては、収益を確保するためにコストをカットしたいというわけです。
だからと言って、ユーザーを無視した施策を繰り返した結果、
「列車は乗らない。これからは飛行機にする。」
「列車は乗らない。これからは車にする。」
「列車は乗らない。これからはリモートワークにする。」
・・・なんて話になれば、元も子もないわけです。事実、京葉線のダイヤ改正の結果、京葉線の利用自体をやめた人もいるようです。これだと
「もうJR東日本の沿線には住まない。他の私鉄の沿線に住む。」
・・・なんて話になれば、沿線人口が減って、鉄道事業の収入の減少に拍車がかかる可能性もあるわけです。事実、沿線の地方自治体が、京葉線のダイヤ改正に猛反対したのは、
「これだと住民が他の市町村に流出しかねない。」
・・・という理由です。このまま利用者無視の施策を断行した結果、JR東日本が自分で自分の首を絞める結果にならないよう、ジーン吉本は祈っている次第です。
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