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以前、秋田新幹線を紹介するときに、立席特急券について説明しました。立席特急券(くどいようですが、「たちせきとっきゅうけん」ではなく、「りっせきとっきゅうけん」が正式の読み方です)は、座席の指定がない代わりに、指定席車両を自由席特急券と同じ料金で利用できる切符です。
ただし、この話をすると、こういう疑問を持つ人もいるかもしれません。
「じゃあ、東海道新幹線の車内で510円払って、指定席にいる人って一体何???」
立席特急券っていうのは、「指定席しかない特急しか走ってないけど、これじゃ自由席に乗りたいお客さんが乗れないよね」という状態を救済する目的で販売する、ちょっと特殊な指定席特急券なんです。(実は、立席特急券も指定席特急券の一種)
そのため、すべての特急に立席特急券が発売されているわけではありません。東海道新幹線も、立席特急券の発売はないので、指定席車両に乗る場合は指定席特急券が必要です。また、指定席特急券には、指定席車両に乗るための料金が含まれているため、自由席特急券では指定席車両に乗ることはできません。(くどいようですが、立席特急券も指定席特急券の一種)
しかし、中にはこんな人もいます。
「自由席車両は混んでるし、座れなくてもいいから指定席車両に乗りたい」
この場合、座席の指定はないのですが、指定席車両に乗るという時点で、指定席特急料金を取られます。自由席特急券と、指定席特急券の差額は510円(通常期)なので、自由席特急券を買った人でも510円を払えば指定席車両に乗れるというわけです。(ジーン吉本的には、これでJR東海が儲けていると思えなくもない)
かくして、「指定席特急券を持っているんだけど、座席の指定はない」という状況はありうるんです。しかし、「指定席特急券を持っているんだけど、座席の指定はない」状態ができる理由は、他にもあります。それは、列車が遅れた場合です。
例えば、新大阪駅で19:00に発車する東海道新幹線の指定席特急券を持っていたとしましょう。実は、この新幹線は山陽新幹線から東海道新幹線へ乗り入れる列車で、山陽新幹線区間の大雨で2時間遅れた場合はどうなるでしょう?
これ、冗談ではなくて、ジーン吉本が新大阪→東京に移動しようとした時に本当にあった話で、駅員さんにこの話をすると・・・
「次に来る新幹線の、指定席車に乗ってください」
・・・ということでした。この時、新幹線のダイヤはずたずたで、ジーン吉本が乗った車両の指定席もがらがらで、ことなきを得ました。しかし、落ち着いて考えると、これも座席の指定なしで指定席に乗っているわけで、「自由席車両は混んでるし、座れなくてもいいから指定席車両に乗りたい」から510円を車内で払っている人と大差ないわけです。
結論は、指定席特急券というのは、原則として座席の使用が保障される特急券ってわけで(保障されなくてもいいから指定席車両に乗りたいといって、指定席特急券や立席特急券を買った人を除く)、指定席特急券に書いてある座席に座れることを保証するものではないということみたいです。
(ここを勘違いしている人って、意外と多いかも)
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